それでも、一握りの人はわかってくれたから。
 その一握りの人を得たいと思うのは間違いなのかな。
 強欲……なのかな。

 階段を下り靴を履きかえると、
「さて、生徒会規約の第三章なんだけど……」
 朝陽先輩は淡々と話し始めた。
 第一章は生徒会の定義。第二章は生徒会の義務。第三章は生徒会における権限その他。
 規約というだけに硬い文章ばかりが並んでいる。
 朝陽先輩は第三章だけを話しても意味がわからないと思うから、と第一章から砕けた言葉で教えてくれた。