光のもとでⅠ

「今日もその予定だったんだけど……」
 高崎さんは再度カフェフロアの窓際でプリントの並びをチェックしている人へ向ける。
 そして背を押され、そちらへ移動するように促された。
「お姉、こちら御園生翠葉ちゃん。蒼樹の妹さんだよ。で、こっちが俺と空太の姉の里実(さとみ)」
「わっ! 実物本物っ!?」
 飛びつく勢いで見られ、ほんの少し身を引く。
「蒼樹くんが溺愛するのも頷けるわぁ……。写真すら見せてくれなかったんだから! でも、これじゃお嫁に出せないわねぇ……」
 テンションが高いかと思えばため息をついたり、なんだかとても表情が豊かな人だ。
「初めまして、御園生翠葉です。あ……えと、蒼兄ともお知り合いなんですか?」
「あ、ごめん。挨拶が先だよね。高崎里実です。いつも弟たちがお世話になってます」
「いえっ、あの、お世話になってるのは私のほうでっ――」
 里実さんはにこりと笑った。