学校を休んだのは実質一日。
 でも、今は紅葉祭の準備で土曜日も日曜日もあってないようなものだから、どうしても二日休んだ気がする。
 大丈夫――怖くない……。
「蒼兄、もう出れる?」
 蒼兄はリビングでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
 こんなところは幸倉にいたときと変わらない。
 唯兄が帰ってきてから慌しかった朝がいつものペースに戻ったのだ。
 腕時計と私の顔を交互に見て、
「まだ少し早くないか?」
 確かに、いつもよりも七分ほど早い。
「……うん」
「……いいよ、出よう」
 そう言って立ち上がると、ポンポン、と頭を軽く叩かれた。