「……安心感?」
 ラヴィに向かって口にしてみるけれど、なんだかしっくりとこない。
 一方、聞かされたラヴィは「ナンデスカ、ソレ」といった目をしている気がした。
「……なんだろうね」
 わかるのは、「置いていかれない」ということ。
 確かに、私はみんなと一緒に歩くことはできないけれど、違う方法で前へ進む道を用意してもらえた感じ。
 それだけで、ひどく精神的に落ち着いた気がした。
 寝起きの頭でそんなことを考えていると、ポーチで音がし、栞さんが「おはよう」と入ってきた。
 ……ということは、もう八時前?
 時間が流れるのは無常すぎるほどに早い。
 でも、痛みを我慢していた期間に感じた、あの永遠とも思えるような感覚よりはいいのかな。