「そのモノサシの隣に十のモノサシを置いてみろや。何か違うか?」
「……大きな区切りの目盛りの場所が同じ」
「そういうこった。五を十に見せるマジック」
そう言って口端を上げてみせる。
「でも……先生、数字的に無理がある。十は十で五は五だもの」
「だったら数字も忘れちまえ。長さだけ見てろ」
「……難しい」
「すぐになんでも完璧にできるわけじゃないだろ。少しずつ慣れろ」
難しいよ、先生……。
だって、私は十あるモノサシが欲しいのに、やっぱりどうしたって五なのでしょう?
こんなふうにモノサシを使って錯覚を起こさせる方法しかないのね……。
それに慣れなくちゃいけないのね……。
「どうしてもこれだけはやりたい、ってものはやっていい。これはそのために付けてるんだろ?」
先生は制服の袖で見えないバングルを指差した。
「……大きな区切りの目盛りの場所が同じ」
「そういうこった。五を十に見せるマジック」
そう言って口端を上げてみせる。
「でも……先生、数字的に無理がある。十は十で五は五だもの」
「だったら数字も忘れちまえ。長さだけ見てろ」
「……難しい」
「すぐになんでも完璧にできるわけじゃないだろ。少しずつ慣れろ」
難しいよ、先生……。
だって、私は十あるモノサシが欲しいのに、やっぱりどうしたって五なのでしょう?
こんなふうにモノサシを使って錯覚を起こさせる方法しかないのね……。
それに慣れなくちゃいけないのね……。
「どうしてもこれだけはやりたい、ってものはやっていい。これはそのために付けてるんだろ?」
先生は制服の袖で見えないバングルを指差した。


