「そう、ステージ。あのさ、リィのは小学生の恋。秋斗さんのは大人の恋。ね? いる場所が全然違うのわかるだろ?」
 わかる、わかるけど――。
「私、高校生です……」
 不服を口にすると、
「恋愛偏差値の問題」
 と、サクリと返された。
 なるほど……。私は恋愛偏差値なんてないに等しい。秋斗さんは――考えたくない……。
「私、やっぱり誰かとお付き合いするのは無理かも……」
「どうして?」
 若槻さんに訊かれる。
「だって……許容量オーバーです。それに、同級生が相手だったとしても、私は小学生で相手は高校生なのでしょう? 到底そのレベルには及びません」
 それが正直な気持ちだった。
「でもさ、恋愛をしないとレベルアップはしないよ?」
 まるでゲームか何かのように話してくれる。
「それでも……怖いから、これ以上先には進めない」
 シーツの一点を見つめて答えると、蒼兄から声がかかった。
「翠葉、とりあえず深呼吸」
「……え?」
「体、すごく硬直してる」
 自分では意識してなかったけど、さっき一度体に力が入ってからずっとそのままだったみたい。