光のもとでⅠ

 焼いたパンを唯兄が一口くらいの大きさに切ってくれ、その上にちょこんとあれこれ野菜が載っている状態。
 ハムやレタス、トマトやチーズは載せるだけでは落ちてしまうことから、爪楊枝で留めてくれていた。
 久しぶりのこの時間が妙に懐かしく思えた。
 おかしいな、唯兄がマンションを空けていたのは二週間だけのはずなのに。
「翠葉、ちゃんと寝てるか?」
 不意に訊かれてびっくりした。
「あ、えと……うん。十二時を回る前には寝てるよ。ほら、おやすみって言いに行ってるでしょ?」
「……そういう意味じゃなくて」
 言われている意味はなとなくわかる。
「夜中、何度も起きてるみたいだから」
 予想を疑わない指摘。