「翠、余所見する暇があるなら今日中、あと三十分以内に起案書仕上げろ」
「が、がんばるっ」
「……わからないところがあれば訊いてくれてかまわないから」
「……ありがとう」
「どういたしまして」
 ツカサ、私も気になってる。
 さっき秋斗さんが言ったこと、気になってるよ。
 でも、今は起案書に集中する。
 私の頭はあれこれ同時に考えられるほど器用じゃないし、そんなことをしていたら使い物にならない起案書になっちゃいそうだから――。