飛び起きて後悔……。
 しかも、ツカサの目の前……。
 それから、優しく起こしてくれた声は秋斗さんのものだ。
 視界がチカチカしだす瞬間、反射的にものに掴まろうと手を伸ばした。
 その手を掴んでくれたのはきっとツカサ。
 身体がぐらりと傾ぐ。
 せめて右側の背もたれ側に倒れられたら良かったのに……。
 残念なことにツカサの側へと傾いてしまった。
 でも、これは眩暈のせいじゃなくて、少し重心がずれてしまっただけ。
 近い場所からツカサの容赦ない言葉が飛んできた。
「いい加減学べ――いや、会得習得獲得制覇してこい、バカ」
「……ごめんなさい」
 色んな意味でごめんなさい……。