秋斗さんに言われた言葉を全部覚えておきたいけれど、なんだか無理そう。
 ふたつの言葉がくるくる回っているの。
「大切な人にどんなことができるのか」という一文と、「必要」という言葉が――ずっとくるくるくるくる、回ってる。
 私の気持ちがもっと落ち着いたら、またこの話をしたい。
 秋斗さんにも答えの出ないものがあって、それは私が考えていることと同じこと?
 そう、尋ねてみたい。
 そのとき、秋斗さんには答えが見つかっているだろうか。
 私には答えが見つかっているだろうか。
 そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
 どこまでが起きていたときに考えていたことなのかわからない。
 それくらい曖昧な記憶だった。