光のもとでⅠ

「そんな翠葉ちゃんに俺が何をできるのか……。俺だって翠葉ちゃんと変わらない。常に暗中模索。俺は社会だとか会社に貢献をすることよりも、大切な人にどんなことができるのか、ってことのほうが大ごとみたい」
 大切な人に、どんなことができるのか……?
「あのっ……あの、お話を聞いてもらえて少しすっきりして、心の中にあるモヤモヤ吐き出してみっともないところを見せてしまったけど――でも、あの、助けてもらえた気がします。落ち着くまで側にいてもらえたこと、とても嬉しかったし、感謝しています」
 口にしていることよりも、ほかのことが気になって仕方ない。
 秋斗さん、本当……?
 私と同じことを考えてるの?
 大切な人たちに何ができるのか――。