「つまり、背中を預けられる人間がここにいるってことじゃないかな?」
「背中、ですか……?」
「そう、自分が全部やらなくても任せられる人間がいるからほかのことができる。……きっと、そういうことだよ。だから、翠葉ちゃんはそんなに不安がらなくて大丈夫」
大きな手が伸びてきて、カップを持つ私の手が包まれた。
「翠葉ちゃんはちゃんと必要とされてるんだよ」
その言葉に顔を上げると、優しく笑う秋斗さんがいた。
自然とカップを掴む手に力が入る。
「あ、時間だね。行っておいで」
秋斗さんの手が離れたとき、手の甲に触れた空気が少し冷たく感じた。
「カップはそのままでいいよ」
これも毎回言われる言葉。
「背中、ですか……?」
「そう、自分が全部やらなくても任せられる人間がいるからほかのことができる。……きっと、そういうことだよ。だから、翠葉ちゃんはそんなに不安がらなくて大丈夫」
大きな手が伸びてきて、カップを持つ私の手が包まれた。
「翠葉ちゃんはちゃんと必要とされてるんだよ」
その言葉に顔を上げると、優しく笑う秋斗さんがいた。
自然とカップを掴む手に力が入る。
「あ、時間だね。行っておいで」
秋斗さんの手が離れたとき、手の甲に触れた空気が少し冷たく感じた。
「カップはそのままでいいよ」
これも毎回言われる言葉。


