でも、お姉さんの代わりになる人も、実際に自分を生んでくれた両親も、それらは取り戻すことができないのだ。
 そして、今私が大切だと思うクラスメイトや生徒会メンバーも、「知り合い」というただそれだけの人ならば新しく増えていくのかもしれないけれど、海斗くんや桃華さん、飛鳥ちゃんや佐野くん、空太くん、ツカサの代わりになれる人なんていない。
「誰かの代わりになれる人なんていないよ……」
「確かにそれは言えてる。もし、俺がこの先誰かを好きになって、その人と結婚をしたら、また形を変えた家族ができるわけだけど、友達っていうのはそうはいかないよね? 新しい友達はできるかもしれないけれど、海斗っちと同じ人間と新たに友達になれるわけじゃないから」
 そう言われてまた少し落ち込む。