「俺、ちょっと下に人を迎えに行ってくる」
 え……?
「きっと翠葉が喜ぶ人間だよ」
 と、一言残してゲストルームを出ていった。
 誰……?
「……俺がここにいる意味がないなら帰るけど」
「やだっっっ」
 咄嗟にツカサの袖を掴む。
 ツカサと海斗くんがここにいてくれなかったら、今でもあの先が見えない恐怖の中にいただろう。
 携帯の電源も入れられず、ただただ「恐怖」の中で動けず声を出すこともできずにひとり――そう、ひとりだったのだ。
「海斗が言っていた保険、俺のところは掛け金も審査も少し厳しい」
 顔を上げると、ツカサは真剣な顔で口にした。