光のもとでⅠ

 飛鳥ちゃんが目を吊り上げて怒る。と、
「うちのクラスでは、ね。でも、ほかのクラスの人間がどうかなんて俺は知らないから。このクラスでできることをできるうちにしたかっただけ」
 佐野くんは私に話したように答える。
 何もごまかさず、自分がどう思って行動したのかをありのままに。
 佐野くんはクラスの男子にどつかれながら私の前を歩いている。
 いいな……。
 私もこんな強い人になりた。
 こんなふうにみんなと笑える人になりたい。

 校門からは、移動教室のときのようにみんながお団子のようになって桜並木を歩いた。
 まだ桜の葉っぱは色づいてなくて、風が吹くとザザと音を立てては時々ひらひらと落ちてくる。
 そんな、のどかな秋の桜並木をみんなで歩いた。