「御園生って本っ当に臆病だよな」
佐野くんが笑っていた。
「でも、その『怖い』は理解できる。俺も誰が味方なのかとかあれこれ詮索して疑心暗鬼に駆られた時期があるから。信じたくても信じられないとか、御園生の場合は『信じてる』が前提だからちょっと違うかもだけど……。でも、類は一緒だと思う」
佐野くんがいつもと少しだけ違って見えた。
自信があって強い、というのが佐野くんに対する印象だけれど、少しだけ――ほんの少しだけ、その裏側が見えた気がした。
『今』を見ながらも、『過去』を振り返るような、そんな目――。
「御園生、あそこ見てみ?」
佐野くんが指差したのは校門で、そこには見知った顔がたくさんあった。
その中でも、桃華さんが腰に手を当て、眉間にしわを寄せて立つ姿が目立つ。
「何が私たちのホームグラウンドは教室でいいわよね、だ。しっかり校門で待ちかまえてるくせに」
「え……?」
隣を歩く佐野くんに視線を戻したとき、背後から声がした。
佐野くんが笑っていた。
「でも、その『怖い』は理解できる。俺も誰が味方なのかとかあれこれ詮索して疑心暗鬼に駆られた時期があるから。信じたくても信じられないとか、御園生の場合は『信じてる』が前提だからちょっと違うかもだけど……。でも、類は一緒だと思う」
佐野くんがいつもと少しだけ違って見えた。
自信があって強い、というのが佐野くんに対する印象だけれど、少しだけ――ほんの少しだけ、その裏側が見えた気がした。
『今』を見ながらも、『過去』を振り返るような、そんな目――。
「御園生、あそこ見てみ?」
佐野くんが指差したのは校門で、そこには見知った顔がたくさんあった。
その中でも、桃華さんが腰に手を当て、眉間にしわを寄せて立つ姿が目立つ。
「何が私たちのホームグラウンドは教室でいいわよね、だ。しっかり校門で待ちかまえてるくせに」
「え……?」
隣を歩く佐野くんに視線を戻したとき、背後から声がした。


