「もちろん! 翠葉お姉ちゃん、お姉ちゃんは秋斗お兄ちゃんのお姫さまなのっ? 僕に乗り換えない? 僕のほうが若いし長生きするよ?」
 今にもベッドに上がってきそうな勢いで詰め寄られる。
「……あの、秋斗さん? 美波さん?」
 状況がわからなくて、右にいる美波さんと左で支えてくれている秋斗さんを交互に見るも、ふたりはクスクスと笑っているだけだった。
「僕のキスで起きてくれたら良かったのにぃ……」
「えっ!?」
 わけもわからず顔が熱くなり始め、思わず口もとを両手で押さえる。
「拓斗にだって譲らないよ? このお姫様は俺の」
 と、秋斗さんの顔が近づいてくると、髪の毛をかき上げられた。
 な、に……?
 うなじに生あたたかい感触――。
 っキス……!?
 慌てふためいていると、
「はい、終了。俺の刻印付きですから」
 と、髪の毛を持ち上げ拓斗くんに見せる。
 ……何をしたの?