「だって……心配かけたし、あのね、ツカサじゃなくて私がいけないんだよっ!?」
「空太の話を聞いたけど、俺はそうは思わなかった」
空太くんは絶対に脚色して話したりはしないだろう。
色々と怖いと思っていても、中学の同級生とは違うってわかってるから。だから、そういう部分には自信がある。
「翠葉が中学で嫌な思いしてきて怖がってるのなんて俺ら知ってるわけで、昨日だって司とそういう話したばかりなのに、なんで――昨日の今日であんな話してんだよっっっ」
海斗くんは私にではなく、あくまでもツカサに言う。
「この件に関して、俺は長期戦にするつもりがなかったから」
そう答えるツカサは、「先に行く」とエレベーターに向かって歩き始めた。
それを追おうとした海斗くんの右手首を両手で掴んだ。
振り解かれはしなかったけれど、いつもからは想像できない海斗くんが目の前にいる。
怒気を露にした海斗くんの手はひどく熱かった。
怖いと思った。
「空太の話を聞いたけど、俺はそうは思わなかった」
空太くんは絶対に脚色して話したりはしないだろう。
色々と怖いと思っていても、中学の同級生とは違うってわかってるから。だから、そういう部分には自信がある。
「翠葉が中学で嫌な思いしてきて怖がってるのなんて俺ら知ってるわけで、昨日だって司とそういう話したばかりなのに、なんで――昨日の今日であんな話してんだよっっっ」
海斗くんは私にではなく、あくまでもツカサに言う。
「この件に関して、俺は長期戦にするつもりがなかったから」
そう答えるツカサは、「先に行く」とエレベーターに向かって歩き始めた。
それを追おうとした海斗くんの右手首を両手で掴んだ。
振り解かれはしなかったけれど、いつもからは想像できない海斗くんが目の前にいる。
怒気を露にした海斗くんの手はひどく熱かった。
怖いと思った。


