光のもとでⅠ

「それで翠葉傷つけて泣かせてんなよなっ!? 今日、うちのクラスの人間がどれだけ心配したと思ってんだよっ」
「なら、それを翠に教えてやれば?」
 ツカサは予告なく海斗くんの腕を放した。
 私は海斗くんの言葉に、今日一日、自分が教室でどんなふうに過ごしていたのかを思い出す。
「海斗くん、ごめんなさい。空太くんもごめんなさい」
 勢いよく頭を下げると、力のこもった手が後頭部に乗る。
「そのまま同じ勢いで体勢戻したら一教科二十分の刑」
 言わずと知れたツカサの言葉だった。
「わ、わかったから……手、どけて?」
 ゆっくりと体勢をもとに戻すと、
「なんで翠葉が俺に謝るのかがわからない」
 海斗くんが明らかに苛立った声で口にした。