光のもとでⅠ

「なのにさ……信じてくれているはずなのに、ひとり置いていかれるのが怖いとか、誰とも話せなくなるのが怖いとか、そんなふうに思われてたらショックじゃん。自分はそんなつもりないわけだからさ。……翠葉ちゃんが思っていることは、翠葉ちゃんにより近い場所にいる人がすごくショックを受けることだと思うよ」
 彼女は「ショック」と声にならない声で復唱した。
「うちのクラスなら海斗や佐野。桃や飛鳥。……でも、ショックを受けたとして、そのままでいる連中じゃないっしょ? 知った時点では怒るかもしれない。でも、そのあとに取る行動は藤宮先輩と同じ。猛反撃に出るよ」
 加勢しておせっかいまでしたつもりだったけど、最後は海斗たちと並列にしてしまった……。
 藤宮先輩すんません――。

 なんとか促しまくって教室の前までは来た。
 けど、彼女は教室のドアから五歩くらい下がった場所で立ち止まる。
 ちょうど、階段とドアの中間地点。