光のもとでⅠ

「ん~……あの人は色々と複雑なんだと思うけどね」
 意識せずとも苦笑がもれる。
「複雑……?」
 彼女は、涙に濡れた目できょとんとしていた。
 これまたかわいいけど、ちょっと困る。
 どうやって説明したらいいのさ、俺……。
「だって、翠葉ちゃんのかなり近くにいるじゃん。翠葉ちゃんは藤宮先輩をすごく頼りにしているでしょ?」
 すっごく遠まわしに言って回避……。
 翠葉ちゃんはこくりと頷いてその先を聞きたそうにしている。
 ちょっと、ヒナにエサをちょうだいってねだられている気分になる。
 藤宮先輩、加勢ついでにちょっとだけおせっかい追加しておきます。