兄ちゃんの苦笑がここまで届く。
 俺もつられて苦笑い。
 俺もそろそろ離脱しなくちゃ――っていうか、参戦、かな。
 タオルを廊下に置き、玄関のドアを開けた。
 ずっと暗いところにいたからちょっと眩しい。
 ポーチから顔を出し、
「そろそろ出てもいいでしょうか?」
 三人がいる方に声をかける。
 翠葉ちゃんを視界に認めると、彼女はお兄さんの影に隠れた。
 うは、何これ。超ショック……。
 でも、とりあえずはカミングアウト。
「ごめんね……俺も話を聞いちゃったんだ。ちょうど家を出ようと玄関で靴を履いた直後だったから……」
 入学したての頃に逆戻りチック。