「ごめんね……。俺、結構独占欲が強いみたいだ。でも、嫌だったら全力で拒否して? そしたらやめるから」
「……何を?」
「……キスも、それ以上のことも」
「っ!? だってこの間――」
「それ、取り消させてもらえる?」
「っ!?」
「そんなに怯えないで? あくまでも、翠葉ちゃんが嫌がるならしない。それだけは約束するから」
「…………なんて答えたらいいのかわからないです」
 押さえていた手を放し、秋斗さんの右手が額に伸びてきた。
 何度も何度も髪の毛を梳いては額に戻ってくる。
 すごくくすぐったかった。でも、秋斗さんはとても嬉しそうな顔で私を見ていた。
 その手はしだいに首筋へ伸びてきて、何度も何度も上下にさすられる。
 数本の指で首筋をなぞられているだけなのに、ぞくりとする。
「嫌?」
「くすぐったいです……」
 それに、なんと言ったらいいのかわからないけれど、体が変……。
 痛いとかだるいとか、そういうのではなく……。なんと形容したらいいのかがわからない。