「……秋斗さんってそういうところは頭回るのにね? 時々すごく回転率落ちるよね?」
「……認めたくはないけど、彼女に関することにおいてはそうみたい」
 先輩は苦笑した。
「さ、明日も運転がありますからね。そろそろ寝ましょう」
 最後、ストーブのチェックを済まし、みんなそれぞれの場所で眠りについた。
 唯はお布団に入るなり、「リィ体温がぬくいっ」と声をあげる。
「若槻ぃ、おまえ帰ったら覚悟しとけよ? 仕事、振りに振ってやるから」
 先輩の笑顔の応酬が聞こえなかったわけはないはずだけど、唯は何も答えず布団に潜り込んだ。


 * * *


 翌朝、目が冷めてすぐにバスルームへ向かった。
 シャワーを浴びて完全覚醒。
 バスルームから出ると、秋斗先輩が起きていた。