光のもとでⅠ

「でも、もう返したよ。今は彼女の手首にある。……今まで本命の子なんていなかったしさ、正直、どんなプレゼントをしたら喜んでもらえるのかわからないんだ。その点では司に大いに負けてる気がする」
 ……そのくらいなら助言できるかも。
「翠葉は高価なものは欲しがりません。あくまでも、自分の好みのものがもらえたら嬉しい、そういう子ですよ。たとえば、ダイヤやエメラルドよりもガラスのアクセサリーのほうを好むでしょうし、本が好きなので、好きな色の栞とか。森林の写真集とかそういったものでも喜ぶと思います。あとは植物……。観葉植物でも花束でも喜びます」
「……そっか。次からはそういうものを贈ろう」
 この人は経験は豊富でも、こういうことに関しては疎いと思う。
 まぁ、女子高生が欲しがるものなんて検討もつかない、か……。