「唯、先輩からSOSコールがあった。おまえの髪を乾かしたら向こうに移動」
 バスルームから出てきた唯に声をかけると、
「別にこのまんま行ってもいいよ?」
「だーめーだっ! それで風邪でもひいて翠葉にうつしたら許さん……というか、おまえが倒れたら先輩たちの仕事大打撃だろ?」
「俺は休養させてもらえていいけど?」
「俺のデートの時間を取り上げてくれるな……」
「あぁ、そういうことね」
 唯は苦笑しつつ、ドライヤーで髪を乾かし始める。
「やっぱ、リィは寝ちゃってた?」
「あぁ、バイタル見ててそんな気はしてたんだけどな」
「熱、ちょっと上がってるみたいだけど大丈夫かなぁ?」