「今から来れる? ――じゃ、お願いね」
それだけを言って切ると、「あ……」と何かを思い出したように口にした。
「どうかしたんですか?」
「社外秘のものが出たままだ。どうするかな……」
秋斗さんが悩んでいる間に高崎さんがやってきた。
「葵、ちょっと待ってて。俺、上を少し片付けて戻ってくるから」
「了解です」
秋斗さんはバタバタと部屋を出ていった。
「気分はいかが?」
「午前中に髪の毛を洗ってもらって、体も拭いてもらってさっぱり」
「良かったね」
にこりと笑うと高崎くんとそっくりだ。
「あの……毎朝蒼兄のランニングに付き合わされて大丈夫ですか?」
「最初はどうなることかと思ったけど、始めるとやっぱり楽しいよ」
先日話したときとは口調が変わっていた。
蒼兄に話すときと変わらない口調が嬉しく思えた。
「高崎さん、お願いがあるんですけど……」
「ん?」
「あの……秋斗さんの家まで連れていってもらえますか?」
「え……それはちょっと……。だって、秋斗先輩がやりたがってることだし……」
「……でも、恥ずかしくてどうにかなってしまいそうで……」
さっき手を握られただけでもドキドキした。それを抱っこなんてされたら――。
それだけを言って切ると、「あ……」と何かを思い出したように口にした。
「どうかしたんですか?」
「社外秘のものが出たままだ。どうするかな……」
秋斗さんが悩んでいる間に高崎さんがやってきた。
「葵、ちょっと待ってて。俺、上を少し片付けて戻ってくるから」
「了解です」
秋斗さんはバタバタと部屋を出ていった。
「気分はいかが?」
「午前中に髪の毛を洗ってもらって、体も拭いてもらってさっぱり」
「良かったね」
にこりと笑うと高崎くんとそっくりだ。
「あの……毎朝蒼兄のランニングに付き合わされて大丈夫ですか?」
「最初はどうなることかと思ったけど、始めるとやっぱり楽しいよ」
先日話したときとは口調が変わっていた。
蒼兄に話すときと変わらない口調が嬉しく思えた。
「高崎さん、お願いがあるんですけど……」
「ん?」
「あの……秋斗さんの家まで連れていってもらえますか?」
「え……それはちょっと……。だって、秋斗先輩がやりたがってることだし……」
「……でも、恥ずかしくてどうにかなってしまいそうで……」
さっき手を握られただけでもドキドキした。それを抱っこなんてされたら――。


