光のもとでⅠ

「リィの今後、どう思う?」
「……また、ずいぶんとストライクゾーンの広い質問だな?」
 苦笑するけど、あんちゃんは俺の言わんとすることをわかっていると思う。
「だって俺、兄妹新参者だし? リィの動向はあんちゃんのほうが詳しいでしょ。どうなると思う?」
「……この夏を一緒に乗り切ってくれた人間が何言ってるんだか。翠葉の今後、かぁ……。こればかりは俺にもわからないよ」
 あんちゃんは携帯をテーブルに置き、大きく伸びをした。
「世の中に男はいっぱいいるのにさ、これが藤宮パワーかね? リィの周りにはあのふたりしかいないように見えるのは俺だけ?」
「いや――おれは普通にそう思ってたけど、そっか……そうだよな? ほかの男って選択肢だってあるんだよな?」
 伸びを取りやめ、まじまじと俺を見るこの人は大丈夫だろうか……。