光のもとでⅠ

「ま、なんていうか、カップルプランだよねぇ……」
 俺は内部の人間だから、やっぱりそういう感想になってしまう。
 こんな演出をされたら女が喜ばないわけがない。
 そんな話をしつつ、
「リィは大丈夫かね?」
「んー……また何か思い出したっぽかったけどな」
 久しぶりに飲むホテルのコーヒーはやっぱり美味しいと思う。
 でも――。
「美味しいけど、やっぱりインスタントが恋しくなる」
「贅沢者め……」
「あんちゃん、俺基本は庶民なんだってば」
 会話をしながらも、あんちゃんはリィのバイタルを気にしていた。
 隣に並んでいたから俺にも携帯のディスプレイが見える。
「ここは地元よりも冷えるからな。血圧はいつもよりも高めにキープできる」
 あぁ、血管が収縮するから?