「ちょっと風呂に入ってくるね」
 そう言って立ち上がる。
「あ、はい。ごゆっくり」
「翠葉ちゃんは身体を冷やさないようにね? 寒かったら布団に入ること」
 それだけ言い残してバスルームへ行く。
 後ろ手にドアを閉め、盛大なため息をひとつ。
 俺、勃ってるよ……。
 自分の股間に目をやり、「あーぁ……」と小さく声をもらす。
 部屋が暗くて助かった。
 そりゃ禁欲生活長いしさ、こんな雰囲気のいいところで好きな子が腕の中にいればね……。
 健全たる成年男子には当たり前な現象でしょう。