「空を見るのにはベッドがちょうどいいでしょ?」
「はい」
 素直にベッドへ上がってしまう彼女の苦笑してしまう。
 本当に何も変わらない。
「君の無防備はなおりそうにないね?」
 むしろ、なおってなどほしくはないけれど。
 俺の前限定で……。
「え?」
「男に言われてベッドになんて上がっちゃダメだよ、お姫様」
 彼女に近づき、その小さな頭を抱き寄せる。
 そして、頭のてっぺんにキスをした。
「頭や額へのキスくらいは許してね」
 彼女ははっとした顔をして、すぐに両手で頭を押さえるけど――自分でもわかっているようだ。
 もう手遅れであることを。