「翠葉ちゃんにメールか?」
「そう、今頃あっちで楽しんでるといいんだけどね」
「栞たちもついているし問題はないだろう」
「だといいよね」
 すると、携帯から軽やかなメロディが流れ出した。
「愛の挨拶」は翠葉専用の着信音。
「さて、どうしたもんかな?」
 通話ボタンを押し電話に出る。
「メール届いたかー?」
『うん、届いた。とってもきれいね? ここはそこほど色づいていないけど、やっぱり紅葉(もみじ)がきれい。緑と赤が半々くらいでね、真っ赤なのもきれいなのだけど、この入り混じったアンバランスなのもきれいだよ』
 声と一緒にザザザ、と風の音も聞こえてきた。
 外、かな。