「司とずいぶん仲良くなったんだね?」
「はい」
 にこりと笑って答えると、秋斗さんは少し驚いた顔をしていた。
「とても頼りになるんです……。学校で具合が悪くなったときもいつも発見してくれるのは司先輩で、つらくて仕方がないときも側にいてくれたのは司先輩でした。もう司先輩に隠しごとはできそうにないくらい」
 すると、秋斗さんはベッドに身を乗り出して、
「それは妬けるな」
「……焼ける? 焦げるものは何もないかと……」
 部屋の中を見渡そうとした私に、
「そっちじゃないよ。嫉妬って意味」
「えっ!? どうしてですか?」
 秋斗さんは呆れた顔をした。
「だって、翠葉ちゃんは俺に対して意外と秘密主義じゃない?」
 秋斗さんに秘密なこと、何かあったかな……。
「雅のことも言ってくれなかったでしょう? それに、具合が悪いこともなかなか話してくれない。甘えてもくれない」
 ずらりと並びたてられてちょっと困る。