俺とふたりになるのが不安?
 そうは思うけど、それを訊く勇気もない。
 尋ねて、そうだと言われて――別行動?
 ――それはちょっと勘弁してほしい。
 ごめんね、選択させてあげられなくて。
 彼女は周りをきょろきょろと見ながら俺のあとをついてくる。
 足元の注意がお留守状態。
 いつ転ぶかとヒヤヒヤする。
 手を差し出して取ってもらえるだろうか……。
 躊躇されるか拒まれるか――。
 怖いとは思うものの、彼女が怪我をすることのほうが精神衛生上よろしくない気がして、勇気を振り絞った。
「危ないから手をつなごう」
 彼女は俺の右半身を見てから左手を見ると、すぐに自分の右手を預けてくれた。