光のもとでⅠ

 目の前にいるのは九つも年下の女の子だというのに、どうして自分が取るべき行動が見えてこない?
 彼女は蒼樹と若槻のやり取りを見て肩を揺らして笑う。
 その動作に、髪の毛が連動した。
 さらり、と揺れてはきれいにまとまる。
 今でも十分に長いしきれいだ。
 でも、前の両サイドが揃って長かったほうが彼女らしかったようにも思える。
 あのとき、もっと自分がしっかりしていれば――。
 悔やんでも悔やみきれない。
「本日は一組のカップルが結婚式を挙げられています。中庭のチャペルで行われているので、このタイミングでしたらチャペルから出てくるところをご覧いただけるかもしれません」

「いったん解散」とは言ったものの、みんなが向かうのは中庭のチャペル。
 若槻と並んで前を歩く彼女は、見る場所も何もかもがあの日と同じだった。
 噴水を眩しそうに見上げては、噴水の水溜りを覗き込む。