光のもとでⅠ

 笑いを交えて話せば、
「夜は寝ないと身体壊しちゃいますよ?」
 と、こちらを案ずる言葉。
「そうだね」
 軽く流そうとしたら、
「それじゃ蔵元さんが心配するのもわかります。……今日くらいは早めに休めるといいですね」
 秋の陽射しの中で柔らかく笑う君。
 髪の毛も肌も陽に透けてきれいだと思った。
 高速道路に乗る前だから見れた彼女の姿。
 高速道路に乗ればスピードを出すため視野が狭くなる。
 そうすれば、そうそう彼女の顔を見ることはできないだろう。

 一時間ほど走り、打ち合わせどおりのサービスエリアに入った。
 大きなサービスエリアということもあり、秋の行楽シーズンにもってこいの本日はそれなりに混んでいる。
 運良くトイレ近くの駐車場に停めることができた。