「そういうのもあるって話で、それだけが理由じゃないとは思う。俺もよくわかってない」
「……なんか嬉しいよね」
 そう口にした会長に視線を移すと、にこにこと笑っていた。
「うん、最高に嬉しい」
 答えたのは優太だ。
「やっとだよ。幼稚部から司と一緒にいるのに、こういう内面の話を聞かせてくれたのは初めて」
 朝陽が口にすれば、
「長かったなぁ……俺なんか比じゃないね。お疲れ様っす」
 と、優太が苦笑しながら言う。
 俺だって、今ここでこんな話をしているのが信じられないくらいだ。
 むしろ、信じたくない。
 つい、「朝から散々だ」ともらせば、三人は「ひどいやつ」と言いながらも笑っていた。
 なんだか、嘘みたいに穏やかな朝だった。