「司が空回りなんて似合わないよ。見てる分には楽しいけどさ」
 マットの次は芝生。
 会長は身体を投げ出し、ごろんと横になる。
「俺だって好きで空回ってるわけじゃないですよ」
「司はさ、なんで翠葉ちゃんに言わないの? あんなに周りにばればれな態度を取ってるくせに、本人にそれっぽいことは伝えてないんでしょ?」
 きょとんとした顔がベンチに座る俺を見る。
「それっぽいことは何度か言ってきました」
「そうなのっ!?」
 会長ががばり、と起き上がる。
「食いつき良すぎです」
 自分がこんな話を人にしていること事態がおかしい。
 そんな状況がおかしすぎて少し笑えてきた。