「少しじゃなくてすごくって……それにかかる言葉は"好き"でいいのかな?」
 恥ずかしくて、目を瞑ったままコクリと頷く。
 どうしよう……。顔が熱い。間違いなく赤面してる――。
「じゃぁ、さっきのお詫びもらってもいい?」
 訊かれて、なんのことだろう、と思う。
 すると、体の両脇のマットが沈む感覚があって、目を開けるとすぐ近くに秋斗さんの顔があった。
「目、閉じて?」
 言われて目を閉じる。と、次の瞬間には唇に生あたたかい感触が降ってきた。
 それはすぐに離れる。
 びっくりして目を開けると、
「仲直りのキスね」
 と、穏やかに笑う秋斗さんがいた。
 顔に火がついたかのように熱い。
「翠葉ちゃん、もうNOとは言わせないよ。今から君は俺の彼女、恋人だからね」
 満面の笑みで言われた。
 彼女、恋人――本当に……?