外部生で藤宮の人間を特別視しない人間。
 それでいて、成績が上位二十位以内であること。
 根気強くものごとに打ち込める性格であること。
 それらの条件を満たしている人間が外部生の中で俺しかいなかったらしい。
「孤高の王子様をいい加減どうにかしたいんだ」
 会長がそう言った。
「俺たちは小中高と一緒だったけれど、それでも司の内面には踏み込めていない。でも、俺たち先に卒業しちゃうから」
 寂しそうに笑う会長を見て、ものすごく後輩思いの先輩なんだな、と思った。
 それだけでなんか胸を打たれちゃったんだよね。
 藤宮の人間とか財閥の御曹司とか、俺はそんなことどうでもよくて。
 でも、ずっとこの学園で過ごしてきた人間たちにとっては違うのかな、と想像くらいは試みるわけで。