でも、まだ私は伝えなくちゃいけないことを伝えてない。
「――さっきはひどいことを言ってしまってごめんなさい」
 秋斗さんはプリンのカップをサイドテーブルに置くと、私を真正面から見るようにベッドに腰掛ける。
「それは自分以外の人を俺に勧めたこと?」
「はい……」
「……俺も謝らせてね」
「え……?」
 秋斗さんは何も悪いことなんてしてないのに、どうして……?
「俺はさ、蒼樹みたいに上手に説明することができなくて、すごくイラついてたんだ。翠葉ちゃんが不安になっているのはわかっていたのに……」
 そんなの、秋斗さんは全然悪くない。なのに、「だから、ごめん」と謝られた。
「あのっ、それは秋斗さん悪くなくて、私が無知なだけで――」
 どう言葉を続けたらいいのかがわからなかった。
「翠葉ちゃん、俺はそういう部分も含めて君を好きになったんだよ」
 自分を丸ごと包み込むような眼差しや、言葉に泣きたくなる。
「翠葉ちゃん、ちゃんと聞いてて?」
 前置きをされて少し身をかまえる。と、