光のもとでⅠ

「御園生夫妻の了解も得てるから、俺は二日かけて翠葉ちゃんに好きになってもらう努力をしてくることにする。俺がどのくらい彼女を好きなのか、それを目一杯伝えてくる。話はそれだけだ」
 秋兄はパソコンのディスプレイに視線を向け、すぐに仕事を再開した。

 図書室に戻りテーブルを目の前に、いつもと同じようにノートパソコンを開く。
 起動する時間は短時間でちょうどいい。
 切り替えろ――頭を、気持ちを、すべてを切り替えろ。
 窓際に立ち、カーテンと窓の間に身体を潜ませる。
 深く息を吸い込み吐き出す。
 それを何度か繰り返すだけで良かった。
 席に着き、まずは生徒会宛に来ているメールチェック。
 緊急性の高いものから対応を割り振っていく。