「湊ちゃんはそのまま救急に駆り出されて、今は相馬さんがついてるよ」
「どのくらい……どのくらい時間かかった?」
「……一時間四十五分、かな」
 時計に目をやりそう答える。
「運ばれてすぐに点滴を入れられて、ペインクリニックの治療を受けるために手術フロアに運ばれた。そこから出てきたときにはだいぶ落ち着いていた。体力はかなり奪われていたけどね」
 俺が行ったところで何をできるわけでもない。
 それなら行くよりも休ませたほうがいいのか――。
「行ってこいよ。……敵に砂糖は送らない主義なんだけど、翠葉ちゃん……寝言で司の名前呼んでた」
 ……嘘だろ?