光のもとでⅠ

「……翠?」
 司先輩……。
「っ!? 翠葉、どうした!?」
 蒼兄も……。
 すぐに蒼兄がベッドサイドまで来てハンカチで涙を拭いてくれた。
「湊さん、何があったんですか?」
「知らないわ。私が来たときには過呼吸起こしてて、つい数分前に落ち着いたとこ。原因は秋斗っぽいけど?」
 と、秋斗さんに視線を移す。
「秋兄、外に出たほうがいいんじゃないの?」
 司先輩が口にすると、
「翠葉ちゃんがそれは嫌だって言ったのよ」
 と、栞さんが答えた。
「あのですね……大変申し訳ないのですが、秋斗先輩は帰らずにリビングにいてください。で、湊さんも栞さんも司も、ちょっと向こうに行っててもらっていいですか?」
「しゃーない。こういうのは蒼樹のほうが慣れてるわね」
 湊先生が立ち上がると、みんな部屋から出てドアが閉められた。
「蒼兄……」
 ベッドに置かれていた蒼兄の手を両手で掴んだ。
「うん、苦しかったよな……。泣くとまたつらくなるよ」
「ん……」
 蒼兄は次々に零れる涙を拭いては髪の毛をきれいに払ってくれた。