光のもとでⅠ

『……そうですかそうですか、今認識したって感じっすね? 紛れもなく呼び出し。因みに、あれは藤宮先輩ファン』
 いらない説明までどうも……。
『なんか新鮮……』
「『はっ?』」
 俺の声とイヤホンから聞こえてくる声がシンクロする。
 俺は咄嗟に口もとを押さえた。
『なんか拍子抜けするくらいリラックスしてるように見えるんだけど……怖くなかったの?』
『怖くはなかった、かな? 驚きはしたけれど』
『御園生ちゃん、気づいてるかなぁ……。最近流れてる噂とか』
 噂……?
『うん。少しだけど知ってる……』
 俺は知らない。
 これはあとで朝陽にでも訊こう。