『あの……故意的に成績を落とすことはできません。それは生徒会を辞めたくないから、とかそういうことではなくて――ただ、成績を落とすことはできないんです』
そんなことを言って通じる相手でもないだろうに。
案の定――。
『何よそれ、ただ生徒会にいたいだけでしょっ!?』
激情したような声が聞こえてきた。
「くっそ……」
この学園施設を不便だと思ったことは一度もない。
が、今日ばかりは無駄に広い桜林館を恨めしく思う。
出入り口は各所にあるというのに、観覧席がごった返しているため、階段に座る人間も多い。
夏真っ盛りでこの熱気ともなれば、館内空調もさほど意味を成さない。
出入り口から入ってくる風を求める人間も少なくはなく、その辺りが異様に混んでいた。
そんなことを言って通じる相手でもないだろうに。
案の定――。
『何よそれ、ただ生徒会にいたいだけでしょっ!?』
激情したような声が聞こえてきた。
「くっそ……」
この学園施設を不便だと思ったことは一度もない。
が、今日ばかりは無駄に広い桜林館を恨めしく思う。
出入り口は各所にあるというのに、観覧席がごった返しているため、階段に座る人間も多い。
夏真っ盛りでこの熱気ともなれば、館内空調もさほど意味を成さない。
出入り口から入ってくる風を求める人間も少なくはなく、その辺りが異様に混んでいた。


