私たちの反応に、「だろ?」とでも言うように和総は続きを話し始める。
「でさ、訊いてみたわけですよ。お嬢ちゃんどうしてだい? と。そしたら、噂には尾ひれがつくから訊かれたことには答えるけれど、それ以上を口にする必要はない。自分から話を大きくする必要はないでしょ? だって」
 はぁ、なんていうか、何も考えていないようで、一応は彼女なりに考えているらしい。
 どうもすっきり、という具合には納得ができない。
 でも、彼女の中に何かしらの芯があるのはわかる。
「本当に不思議な子よね」
 なんとなく私が口にした言葉に、その場のみんなが頷いた。