飛鳥ちゃんなんて、呼び出した女子たちにはらわた煮えくり返っているに違いない。
 でも、いつも近くにいる桃華たちが気づかないくらい巧妙に呼び出されているわけで、それでも風紀委員がリークできる程度ならまだ大丈夫かしら、とも思う。
「何? うちのクラスの姫の話?」
 そう言って階段を上がってきたのは和総だった。
 おなじクラスの圭太洋介も一緒。さらには千里も。
「呼び出しのカウントは?」
 訊けば三十日現在で十一回十四人らしい。
「ちょっとそれ……かなり頻度高くない?」
 テラスの椅子に座り、
「う~ん……頻度は高め。でも、人数はひとりかふたりって感じかな」
 うちの学校は呼び出しなどをする際にも団体行動というのはあまり縁がない。
 前に聞いた話だと、多くても四、五人というところらしい。