でも、だから何?
「……今まで、とくに隠してきたつもりはないけど」
 楽譜に目を通しながら答える。
「……なんだそういうこと」
 視界の端に朝陽の口端を上げる。
 何か面白いことを見つけたときの表情。
「何それ……。翠葉ちゃんが呼び出しされてもいいと思ってるわけっ!?」
「そうは言ってない」
 なんだか面倒な話だな……。
 っていうか、何を今さらこんな話――。
 突っ込むなら一学期にでも突っ込めたはずだ。
「でも、必然とそうなるだろっ!?」
 優太は発火寸前。
 朝陽は納得したのか余裕そうな雰囲気を纏い始めた。