また司が戻ってきて、今度は俺たちを素通りし、秋斗先生の部屋へ入っていった。
 出てきたときには大荷物を抱えていた。
 毛布に羽毛布団、クッションねぇ……。
 でもって茜先輩にカイロ、とくれば察しがつかなくもない。
 おまえ、本当にぞっこんなのな?
 これはやっぱり本腰入れて紅葉祭は仕込まねばならんでしょう。
 仕込んで陥れて、あわよくば翠葉ちゃんを今度こそ司に釘付けにして――。
 ふたりをくっつけたくなってきた。
 周りに文句を言うやつがいたら、やっかむやつがいたら、司、おまえがしっかり守れよ? 俺もふたりの邪魔をされるのはかなり嫌だから睨みは利かせておくけどさ――。